東宝が、錦糸町の楽天地ビルなどを運営する東京楽天地を完全子会社化するためにTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表しました。また、東京楽天地はこれに賛同の意思を表明しています。
TOBは1月24日まで実施し、取得価額は約232億円にのぼる見込みです。
東京楽天地の前身である江東楽天地は東宝と同じ創業者である小林一三氏によって創業された企業で、もともと関係性のある企業です。東宝はすでに東京楽天地の株式を22.79%所有しており、持分法適用関連会社となっています。
今回完全子会社によって、東宝は3つのシナジーを期待しています。「不動産賃貸事業の強化」「映画興業事業の強化」「コーポレート機能の連携および人材交流」。
不動産に関しては、東宝が保有していない台東区や墨田区の物件を東京楽天地が保有しているほか、大小合わせて約40件の再開発を実施した実績を評価しています。
TOHO シネマズ錦糸町に関しては、完全子会社化により連携を強化し、効率化および収益性の向上を見込んでいます。
近隣住民としては完全子会社化によってテナントなどに変化があるのか、というところですが、特にその点については触れられていません。
東京楽天地にとっては、時価総額が純資産の評価額を下回る状況が続いていたほか、昨今の規制強化などにより、上場を維持するコストが重しになっていたとのことです。